在留外国人の居住動向
在留資格別
在留資格別かつ市区町村別のデータは2019年からのものがオープンデータとして公開されているが、以下ではそれぞれの在留資格別に居住動向を確認する。
高度専門職1号イ
東京周辺に集まっている。大阪付近や地方の諸都市にも多く滞在している。多く滞在している地域以外は滞在人数が少なく、差が大きい。
高度専門職1号ロ
東京周辺と広島に多く滞在しているが、その他の地域には滞在者数が少なく、密度の差が大きい。
高度専門職1号ハ
東京周辺に最も多く滞在しており、大阪や福岡周辺にも滞在者数が多い。それ以外の地域には滞在者数が少ない。密度の差が大きい。
高度専門職2号
東京周辺に最も多く、愛知や大阪、広島にも多く滞在している。そのほかの地域には滞在者数が少ない。
経営・管理
経営管理分野での在留外国人は全国的にみてもあまり広い分布にはなっておらず、主に東京都、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県などの関東圏に偏っていることがわかる。その他の地域では、主に富山県富山市がよくみられており、3年間を通してほぼ人数が変化していない。
法律・会計事務
法律・会計業務の分野での在留外国人の分布は、全国的にもほぼ広がりが見られない。2021年では63人であった港区などの東京都23区内に集中している他は、2020年、2021年には1人と非常に少数だが東京都町田市、3年間ずっと1人であった京都府京都市右京区などに限られている。
医療
全国的に、医療での在留外国人の分布はあまり広がってはおらず、主に、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、奈良県、長野県などの一部の地域にとどまっている。また3年間を通して、多くても一つの市区町村で20人程度であり、その他の地域では5人ほどである。
研究
研究のために日本に在留している在留外国人の分布は、全国的に非常に分布が小さい。特に集中しているのは、東京都や神奈川県の沿岸部、奈良県奈良市、京都府京都市、少数ではあるが宮城県仙台市などである。
教育
他の分野のデータと比べても、教育分野では本州において在留外国人の人数が非常に分布していることが分かるだけでなく、九州地方でも主に沿岸部に集中していることも理解できる。対して、北海道では、人数が特に集中しているのは苫小牧市などに限られている。
技術・人文知識・国際業務
技術・人文知識・国際業務の分野では、在留外国人の人数は2019年から2021年まで大きな分布状況での変化はない。加えて2021年に渋谷区では2031人となっている東京都や神奈川県に集中しているだけでなく、愛知県豊田市や兵庫県姫路市、広島県東広島市などでも3年間を通して多くの人数が集まっている点が特徴としてあげられる。
企業内転勤
主に東京都や神奈川県の沿岸部、上信越地方の沿岸部、瀬戸内地域などで企業内転勤のための在留外国人は見られるが、3年間を通して全体での分布はほぼ変化していない。特に、東京都江戸川区で2021年に224人、広島県福山市で11人などである。
介護
介護職従事者の居住地分布としては人口数自体が多い首都圏や関西圏に集中していることがわかる。首都圏では都心部から千葉県北西部にかけて、関西においては大阪府北部および神戸市とその周辺の兵庫県域に集積傾向が見られた。それ以外の地域でも北陸3県にも集中していることが伺える。
興行
興行においては、在留外国人の人数の分布はあまり変化はしていない。また地方では、ほとんどの地域において10人弱のみの値となっている。しかし熊本県八代市では、2021年には19人となったものの、2019年には53人もの在留外国人が集まっていたことがわかる。また佐賀県佐賀市でも2021年には31人となっている。
技能
技能分野での在留外国人の人数は、九州地方や四国地方などよりも、東海地方や関東地方、そして北海道浦河町などの北海道の南部に集中している点が特徴である。特に北海道の南部では、2019年に浦河町で237人、日高町で221人などであり、都市部である愛知県豊田市の128人よりも人数が多くなっていることが理解できる。しかし、東京都港区では291人、東京都江東区では544人となっている。
技能実習1号イ
北海道と九州を除いた各地に多く滞在している。関東、中部、近畿、中国地方にかけて集中して滞在している。特に北関東、東海、中国地方東部に多く滞在者数が多い。東京、大阪のような大都市には滞在者数は多くない、2019年では全体数が多いが2019年から2021年で滞在者数が多い市が減った。
技能実習1号ロ
全国各地に多く滞在している。特に北関東から千葉まで、北陸、東海、瀬戸内、北九州、南九州に多く滞在している。東北、北海道、四国には滞在者数は比較的すくないが、滞在者が多い市も点在している。
技能実習2号イ
北陸、東海、瀬戸内に多く滞在している。関東、東北にも滞在しているが多くはない。
技能実習2号ロ
全国各地に多く滞在している。四国を除いた関東以西に特に多く滞在している。全体数が多い。
技能実習3号イ
滞在者数が多い市が点在している。2019年から2021年までに滞在者数が多い市が急激に増えた。
技能実習3号ロ
関東から九州にかけて特に多く滞在している。全体数が多い。
特定技能1号
北関東、東海、瀬戸内中部に集中して滞在しており、九州と北海道にも滞在者が多い市が点在している。2019年から2021年までで滞在者数が増加した。 特定活動 東京周辺に最も多く滞在している。愛知、三重、広島周辺にも多く滞在している。2019年から2021年にかけて滞在者数が増加した。
留学
東京都沿岸部に集中。人数の分布状況は2019年から2021年までほぼ変化していない。特に東京都内での留学生の数が全国的に見ても多く、例えば2021年において岩手県盛岡市では250人に対して荒川区で2191人、江東区で1996人などとなっている。
研修
全国的に人数が広く分布しているわけではなく、2021年の東北地方ではほぼ全ての地域で0人となっている。また、2019年に研修での在留外国人が数人程度いた滋賀県、山口県などでも2021年には0人となっており、2021年では全国的にも非常に人数が減少している。
家族滞在
2019年から2021年を通して、特に東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県での都市部で、特に家族滞在での在留外国人の人数が多い状態である。例えば2021年では、兵庫神戸市中央区で1046人である。加えて茨城県では、土浦市や常総市で250人程度なのに対し、つくば市では1250人となっており、つくば市に人数が集中していることが分かる。全体的な人数の分布は、3年間でほぼ変化していない。
特定活動
東京周辺に最も多く滞在している。愛知、三重、広島周辺にも多く滞在している。2019年から2021年にかけて滞在者数が増加した。